分譲住宅などで、お隣の家とめちゃめちゃ接近して建っている住宅を見かけることがあります。
時には、家と家の間を人が通れないんじゃないかと思えるほどの場合もあります。
「お隣とくっつき過ぎな感じで建てられている住宅って大丈夫なんだろうか?」と思います。
何が大丈夫じゃないかというと、将来的なメンテナンスをどうするんだろうと思うからです。
家と家の間の距離が人が通れないような狭い場合、何かあった際、メンテナンスできるんだろうかと思うのです。
法的には問題がなくても「いい家にはならない」のではと個人的に思うテーマです。
住宅だってメンテナンスは必要です
住宅って作ったらずーっと何もしなくても使える商品なのでしょうか?
クルマだって法的に定期的なチェック(車検)を受けなければいけません。
常に安全に使えるようにチェックするわけです。クルマではこれが法的に整備されています。
でも住宅にはそんな法律はありません。
だけど、家は風雨にさらされ続ける商品です。
経年劣化はあって当然です。物理的に住宅もメンテナンスは必要です。
住宅は将来のメンテナンスも考慮した配置が必要
特にこれといった不具合がなくても、家は定期的にメンテナンスをすることで、当初の機能が保たれ長持ちします。
ひいては、家の資産価値も保たれるはずです。
まして、何か不具合が発生したら、当然、チェックし補修しなければなりません。
例えば、クロスにしみが発生したら、もしかしたらどこかに雨漏りが起きていて、壁の中に雨水が入ってしまっているのかもしれません。
そうだとすると、壁内結露で壁のなかにカビが発生したり、中の断熱材が下に落ちていたりしているかもしれません。
原因究明のため、当然、部屋の中からはチェックします。外壁からもチェックします。
そして不具合の原因が特定できたとします。
さあ補修工事をしようとしたら。。
家があまりにもお隣とくっつき過ぎていたら、補修工事がかなり困難になり、余分なコストがかかるかもしれません。
さらに元の間取りのままだと直せないなんてこともあるかもしれません。。
住宅には、将来のメンテナンスを考えた配置も必要なのです。
内装の設備や間取りなどは将来を考慮した仕様であることは多いですが、敷地に対する建物の配置についても将来的なメンテナンスを考慮すべきではないかと思います。
ということで、将来的に住宅のメンテナンスを考慮するなら、最低基準はともあれ、住宅の外壁は隣地境界線から1mは離しておいたほうがいいのではと個人的には思います。
そのほうが、採光・通風・プライバシーなどの良好な住環境の確保にもつながりますし、災害時の避難路の確保や火災時の延焼や類焼のリスクも軽減できるはずです。