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【住宅診断のタイミング】住宅診断はいつどういう場合にするのか?
住宅診断はどんな場合に実施するのか?また、いつ実施するのがよいか?
結論を言うと、新築・中古を問わず、住宅(一戸建て・マンション)を購入する際、契約前に実施すると良いです。
特に一戸建て住宅は、一つひとつがほぼオーダーメイドでしかもハンドメイドで作られるという性格の商品だからです。
完成する過程では、建築現場での職人の手によるハンドメイドの割合が大きく、住宅の製品としての品質は現場担当者のスキルにも左右されます。
さらに、悪意でなくても、現場の施工では、見落とし、うっかりミスなどを発生する可能性があり、結果的に不具合や欠陥が見逃されたままの住宅になってしまう可能性はゼロではありません。
そこで、少しでも瑕疵のない状態の住宅を手に入れるための投資として、住宅診断するのをおすすめします。
こんな時に
住宅診断を
住宅診断をするケースはさまざまあります。
- 中古一戸建て購入時
- 中古マンション購入時
- 新築の建売住宅購入時
- 新築の一戸建て建築時
- 新築マンション購入時
など、どんな場合でも、住宅購入時には、第三者の専門家に視点による住宅診断する意義はあります。
中古物件を購入する場合
とくに「中古一戸建て」「中古マンション」を購入する際は、ぜひ住宅診断されるのをおすすめします。
理由は「中古一戸建て」「中古マンション」の売買契約では、売主の約8割は個人ですが、個人が売主の場合の瑕疵担保責任は半数以上が「現状有姿(0カ月)」つまり「瑕疵担保責任を負わない」という契約が一般的だからです。(注1)
ちなみに「中古一戸建て」「中古マンション」の売買契約で、売主の約2割である宅建業者が売主の場合は「引渡しから2年間」の保証がつくことが一般的です。
「住宅品質確保法」「住宅瑕疵担保履行法」に基づいて、消費者の利益の保護や住宅紛争の迅速、適正な解決を図るための住宅相談、住宅紛争処理への支援をしている『公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター』も、中古住宅を売買する場合は、中古住宅の検査や保証がセットになった「既存住宅売買かし保険」制度の利用をすすめています。
- ※(注1)【参考】中古物件売買で売主が個人の場合の買主のリスクヘッジ
- 既存住宅瑕疵(かし)保険の個人間用を利用する方法があります。
保険対象部分は「構造耐力上主要な部分」「雨水の浸入を防止する部分」などで保険期間は5年間または1年間ですが、万一の備えとして検討されると良いと思います。 - 既存住宅売買のかし保険(個人間売買タイプ)|住宅瑕疵担保責任保険協会
- 【上級編】既存住宅売買のかし保険(個人)によくある質問|住宅かし保険に関する"よくあるご質問"|住宅瑕疵担保責任保険協会
- 住宅診断の業者さんで建築士資格も持っている場合、住宅診断と同時に「既存住宅瑕疵保険用の診断」をしてくれる業者さんもあります(建築士さんで既存住宅現況検査技術者の資格を持っている場合)。同時のほうが費用が割安で時間的にも効率が良いと思います。
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- 既存住宅瑕疵(かし)保険の検査・保証の依頼は基本売主。買主(予定者)からの依頼もできます。
- 既存住宅瑕疵(かし)保険の検査は契約前に実施します。
- 対象物件は、新耐震基準に適合した(1981年(昭和56年)6月1日 以降に建築確認を受けた)住宅(注2)(注3)か、耐震基準適合証明書(注4)が得られている住宅。
- ※国土交通省がすすめている通称「安心R住宅」(耐震性や構造上の不具合、雨漏りがないなど一定の品質基準を満たす優良な中古住宅を対象にした認定制度案)も既存住宅瑕疵保険を付保できる状態であることが条件になるようです。
建売住宅を購入する場合
「建売住宅」はより慎重に建物の状況を確認した上で購入するのが良いので「建売住宅」購入の際にも住宅診断をおすすめします。
一般的に一戸建て住宅を購入するケースは主に3つありますが、
- 一戸建て住宅を購入する3つのケース
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- 注文住宅として建物を建てる
- 建築条件付き土地を購入し住宅を建てる
- 住宅が完成している建売住宅として購入する
このうち、「建売住宅」はより慎重に建物の状況を確認した上で購入するのが良いと思います。
理由は「建売住宅」は完成品なので、引渡し前の点検では、目視できる範囲はできても隠れた部分までは点検できないからです。しかし実際には、その隠れた部分にこそ重要な欠陥が存在するケースが多いそうです。
例えば、社団法人 日本建築家協会関東甲信越支部 で20年以上続けられている住宅相談では、トラブルの相談事例が多いのは「建売住宅」だというお話しもあります。
いつ住宅診断
するか
一般的な住宅診断のタイミング
住宅診断のタイミングは、新築一戸建てを建てる場合以外は、もちろん契約前がベストです。
契約前に住宅診断し、物件に瑕疵や不具合などがないか確認し、問題があれば事前に問題を解決した上で購入できます。 仮に、もし問題が解決せず納得いかない場合は、契約せずに済みます。
諸事情で契約前の診断ができない場合 、または、契約してしまったけど気になる場合、契約後でも、「引渡し前」の住宅診断は有効です。「引渡し前」のタイミングなら、仮に瑕疵や不具合などがあれば、まだ、売主側の責任として問題解決してもらいやすいからです。
中古一戸建ての 住宅診断のタイミング |
売買契約前がベスト。契約後なら「引渡し前」。 |
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中古マンションの 住宅診断のタイミング |
売買契約前がベスト。契約後なら「引渡し前」。 |
新築の建売住宅の 住宅診断のタイミング |
売買契約前がベスト。契約後なら「引渡し前」。 |
新築マンションの 住宅診断のタイミング |
売買契約前がベスト。契約後なら「引渡し前」。 |
新築一戸建てを建てる際の 住宅診断のタイミング |
建築請負契約後、住宅建築の着工する時から完成にかけて。 「引渡し前」。 |
一戸建ての増築の 住宅診断のタイミング |
増築プランを検討する前。 |
大掛かりなリフォーム・リノベーションを する際の住宅診断のタイミング |
リフォーム・リノベーションプランを検討する前。 |
購入後、住みはじめたとしても、住宅診断し物件の状況を把握する意義はあります。瑕疵や不具合の発見は、早ければ早いほど、問題が大きくなる前に対処できるからです。
- 一般的な住宅診断のタイミング
- ※上記は一般的な住宅診断のタイミングです。住宅診断は、実施しようと決断されればその時がタイミングです。
- ※【売買契約】すでに建物が完成している物件を買う場合の契約
- ※【建築請負契約】工事を依頼して建物を建てる場合の契約
実際には、購入希望の物件が見つかったら、購入意思表示として、売主業者さんや仲介業者さんに「購入申込書」や「買い付け証明書」などを提出し、場合によっては、「申込証拠金(注1)」を納め、他の顧客には販売しない状態にしてもらった上で、住宅診断することになります。
「新築建売り住宅」や「新築住宅を建てる」場合、住宅会社や工務店によっては、「契約前」や「引渡し前」の住宅診断をさせてもらえないもケースあります。
目的は、できるだけ瑕疵のない状態を確認した上で、購入希望の物件の契約をすることです。
どういう条件ならば、物件の診断ができるのか、事前に売主や施工主に確認しておきましょう。
どうしても契約後しか住宅診断できない場合は、契約書の特約事項に「瑕疵が見つかった際は、その内容によって、契約解除もしくは売主の責任で補修する旨」の特約(注2)を入れてもらいましょう。
※(注2)その他、特約事項でよくあるのは「ローン特約」です。「ローン特約」は、買主が金融機関のローンの審査に通らずローンが組めなかった場合は売買契約を解除するという内容です。
(注1)「申込証拠金」「手付金」について
契約前の住宅診断では、売主業者さんや仲介業者さんに「購入申込書」や「買い付け証明書」などを提出し、場合によって「申込証拠金」を納め、他の顧客には販売しない状態にしてもらった上で住宅診断することになります。
一方、契約時に買い主が売り主に支払う金銭が「手付金」です。契約時の頭金(あたまきん)として自己資金で支払うことが多いです。
住宅診断の関連知識として「申込証拠金」「手付金」についてその性質とポイントを説明しておきます。
また、さらに基本的な「不動産売買の流れ」など不動産取引の基礎知識については、安心・安全な不動産取引をサポートする総合情報サイト【不動産ジャパン】(注3)のWEBサイトがわかりやすいので、参考にされると良いと思います。
- 「申込証拠金」について
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- 物件価格に関係なく5~10万円が目安
- 購入の意思表示
- 購入をキャンセルしたとしても返還されるのが一般的
- 購入キャンセル時に返還されるかどうか確認する
- 預り証をもらう
- 売買契約に進んだら手付金や契約時の諸費用(印紙代)に充当される
- 「手付金」ついて
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- 物件価格の10%~20%が目安
- 契約後、買主の事情で契約キャンセルする際は手付金を放棄(よって買主にとってはできるだけ安い金額が良い)
- 契約後、売主の事情で契約キャンセルする際は手付金の2倍の金額を買主に返還
- 売買代金の一部として充当
【参考】(注3)
安心・安全な不動産取引をサポートする総合情報サイト【不動産ジャパン】は公益財団法人 不動産流通推進センターが運営しています。
- ひとこと
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例えば「中古住宅」や「建売り住宅」を購入する場合のおおまかな流れは、
- 購入の意思表示
- 重要事項説明を受ける
- 売買契約の締結
- 手付け金の支払い
- 融資の申し込み
- 融資決済
- 残金の支払い
- 登記書類の受領(抵当権設定)
- 鍵の受領
となります。
このプロセスで、住宅診断をするタイミングは契約前、つまり「購入の意思表示」と「売買契約の締結」の間になります。
仮の押さえとして、売主業者さんや仲介業者さんに「購入申込書」や「買い付け証明書」などを提出した状態で、住宅診断をすることになります。
業者の立場としては、仮の押さえはあまり長くはしたくないので、契約を急がされるかもしれません。
仮の押さえをむやみに引き延ばすのは業者側にも迷惑をかけるので、できる限りスムーズに診断し購入の結論を出せるように配慮するのもマナーだと思います。
ただし、不安な部分やわからない部分は、妥協せず確認し、納得が得られてから、結論を出すことは重要です。
購入後でも
住宅診断
すると
良い場合
新築の建売住宅を購入したり新築の一戸建てを建ててまだ2年以内の場合
請負契約や売買契約で購入した新築住宅(工事完了から1年以内で人が居住したことがない(注1))の保証は、平成12年4月にスタートした「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、基本構造部分(基礎・柱・床・屋根等)と雨水の浸入を防止する部分については、売主の瑕疵担保責任瑕疵担は、引き渡しから10年が義務付けされています。
しかし、それ以外の箇所は、住宅メーカーや工務店により異なり、物件引き渡し後の保証期間が建物の部位により1年や2年の箇所があります。
保証期間内であれば、施工会社に不具合を直してもらえることもありますので、新築を購入しすでに住んでいてもまだ2年以内であれば、何か不具合が気になるような時には住宅診断すると良いです。
基本構造部分以外の保証期間は住宅性能保証機構の短期保証基準(一戸建て)が目安になります。
※(注1)たとえば建売住宅で新築後1年以上売れ残ったものは対象になりません
いままで住宅の点検をしたことがない場合
住宅は長く使う商品なので、住み始めて何年もたてば、部分的に経年劣化するのは当然です。
いままで住宅の点検をしたことがない場合は、一度、住宅診断しておくとよいです。
現状の家の状態を把握し、劣化している箇所を発見できたら、事前に補修しておけば、長持ちするはずです。
不具合は状況は小さいうちに対処しておけば、大事にははなりません。
劣化箇所があっても気づかず放置し、大事になってからからの対処では、余計に補修費用が発生することもあります。
また、特に1981年(昭和56年)以前に建てられた古い建物の場合は、耐震性能が低い場合が多いので、耐震診断をされることをおすすめします。
↓下記の関連ページもご覧ください。
住宅診断を依頼する会社は事前に決めておく
中古物件などの購入時の住宅診断では、購入するかしないかを決断するための判断材料として住宅診断をするので、もちろん契約前に実施します。
ほぼ購入しようと決断した物件の診断をすることになります。
実際には、購入の申し込みをし仮押さえをしてから契約するまでの短期間に実施することになります。
一般的に購入申し込みから契約までの期間は約1週間以内なので、事前に住宅診断を依頼する会社決めておいて、すぐに申し込めるようにしておくと良いです。
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