不動産(住宅・マンション)における無形資産の重要性

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不動産(住宅・マンション)における無形資産の重要性

2018/10/23 blog 記事の目次

一般的に、不動産(住宅・マンション)は有形資産と呼ばれますが、不動産(住宅・マンション)にも“無形の資産”(無形資産)を伴っていると、個人的には思います。

現状、その「無形資産」は、売買時などで、必ずしも金銭価値として評価されていないかもしれません。

それでも「無形資産」部分の状況が、とくに将来的には「有形資産」部分を含めた不動産全体の資産価値に影響していくことになると思います。

よって、不動産(住宅・マンション)物件購入時には、ハッキリと「無形資産」部分を意識し、事前に検討されることをおすすめします。

不動産(住宅・マンション)における「無形資産」とは?

では、不動産(住宅・マンション)における「無形資産」とは何でしょうか?

例えば以下の項目などが無形資産と言えるのではと思います。

  • 物件周辺エリアのブランド価値
  • 物件周辺エリアのコミュニティ活動の活性度
  • 物件立地の自治体の運営状態
  • 物件周辺の自然災害リスク度
  • 分譲マンションの管理組合の運営状況

などなど。

上記の項目を、おおまかな要素に分類すると、下記のようなポイントに区分できるのではないでしょうか。

  • 地域経済 → 自治体の運営状況
  • 都市計画(良好な住環境のためのルール)→ 都市政策・建築協定
  • 自然災害リスク → 居住に適した自然環境
  • 社会関係資本 → 人間関係の豊かさ
【ブランドエリアの参考】
憧れのブランドエリア|住友不動産販売
住宅のイメージ

分譲マンションの「無形資産」としての『管理組合』

とくに、分譲マンションの管理組合は、マンションの資産価値を大きく左右する「無形資産」だと思います。

本来、マンションの購入においては、おおきく下記の2つの観点のチェックが必須です。

  • (1)マンションの建物自体の物的な状況
  • (2)マンション管理のマネジメント状況

これらは、マンション購入時のチェックポイントの両輪といってもよいはずです。

なぜなら、分譲マンションという居住形態は、長期にわたって利用されていくことを前提に、区分所有者全員で共同所有する住宅だからです。

その物件の機能を十分に発揮し、長期にわたって快適な居住環境と資産価値を維持するためには、物件のメンテナンスなどの長期的な計画を含む適切なマネジメントが必要だからです。

ところが、購入者側の認識において、「(2)マンション管理のマネジメント状況」のチェックへの認識が、どうも希薄になっているのが現状のようです。

「(2)マンション管理のマネジメント状況」は、具体的には『管理組合』の運営状況です。

たとえば、中古の分譲マンション購入の際には、管理組合のマネジメント状況は、当該マンションの過去の実績や将来の計画などから確認できます。

一方、新築分譲マンションでは、管理組合のマネジメントは、分譲後の入居者(区分所有者)と協同で1から作り上げていかなければなりません。

どんなメンバー(入居者)とともに管理組合を運営することになるのか。新規分譲時に売主から提案されている修繕計画は妥当か。など、不確定要素が多いと言えます。

逆に、マンション管理のマネジメントを1から作り上げられるので、熟慮したマネジメントをしていける可能性があるとも言えます。

いずれにしても、自身を含めた入居者(区分所有者)を中心に、マンションの管理をマネジメントしていくというを認識と覚悟が必要です。

これはたとえば、企業の長期にわたる健全なマネジメントが容易ではないのと同様、マンションの長期的なマネジメントも容易ではないという認識が必要です。

【マンション管理の参考】
公益財団法人マンション管理センター
住宅のイメージ

昨今、GAFA(ガーファ)と呼ばれる企業群の脅威が語られています。

GAFA(ガーファ)は、Google(グーグル)・Apple(アップル)・ Facebook(フェイスブック)・Amazon(アマゾン)の頭文字を集めた呼称です。

これらの企業は、世界の時価総額ランキングで、みなベスト10に入っています。

彼らの競争力の源泉は「無形資産」だと言えます。

ブランド、より多くの顧客との関係性、社員の能力、企業文化、社内ノウハウやビジネスモデル、特許など、一朝一夕には真似のできない独自の「無形資産」です。

これらの「無形資産」を保有しているがゆえに、とても強力な永続的な競争力があります。

このように企業においては、現代の知識社会の中で、ますます「無形資産」部分で勝負が付く時代になってきています。

その企業における無形資産は、会計上のルールによって、ある程度客観的に把握できる仕組みがあります。

そうはいっても、個々の企業の社員の能力や企業文化などの無形資産までを、客観的に数値化にすることは難しいはずです。


一方、不動産(住宅・マンション)の「無形資産」の評価も、企業の「無形資産」の評価と同様かそれ以上に難しいと思います。

しかし不動産においても、とくに「無形資産」部分の状況が、今後とくに「有形資産」部分を含めた不動産全体の資産価値を決める時代になってきていると言えるのではないでしょうか。

冒頭にあげた、

  • 地域経済 → 自治体の運営状況
  • 都市計画(良好な住環境のためのルール)→ 都市政策・建築協定
  • 自然災害リスク → 居住に適した自然環境
  • 社会関係資本 → 人間関係の豊かさ

などの「無形資産」部分の違いによって、従来以上に、住環境が左右され、ひいては物件の資産価値に差がついてしまう時代になってきているように思うからです。

よって、不動産(住宅・マンション)の購入者は、より意識的に「無形資産」部分にも注目して、物件を評価されることをおすすめします。

ひとこと

最近読んだ「デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか(ライアン・エイヴェント著・東洋経済)」に下記の一節がありました。

かつて私たちは家計費のほとんどを食品、飲料、衣類、家具といった物理的なものに充てていた。

しかし今は教育やヘルスケア、あるいは住宅に大きな金額を使っている。

住宅の価値を決めるのは壁の木材や水道管のプラスチックより、住宅が提供するソーシャルキャピタルへのアクセスだ。

その結果の一つが、シリコンバレー周辺など、都市の繁栄や不動産価格の上昇につながっているという説明です。

住宅の「無形資産」部分が資産価値を決めるという一つの事例と言えるでしょう。

≪ 住まいの基礎知識~トラブルを未然に防ぐために~河合敏男 弁護士の解説     「マンション2020年問題」:深読みチャンネル:読売新聞(YOMIURI ONLINE) ≫
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