豊かな人生を築くための不動産との付き合い方(日経BP社)

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豊かな人生を築くための不動産との付き合い方(日経BP社)

2018/02/13 books 記事の目次

住宅の購入を検討されている方におすすめしたい本を取り上げていきます。

個人的に、初回にふさわしいと思うこの本をご紹介します。(^^)

豊かな人生を築くための不動産との付き合い方 ― 住宅購入・不動産投資の新常識 ―

豊かな人生を築くための不動産との付き合い方 ― 住宅購入・不動産投資の新常識 ―(日経BP社刊)を取り上げます。

まずタイトルがいいですね!

私たちは単に住宅が欲しいのではありません。豊かな人生を築きたいのです。それが住宅購入の最終目的です。

新築住宅の購入、中古住宅の購入を問わず、住宅購入者はまず最初に読まれると良いと思います。

「木を見て森を見ず」という格言があります。

この本は、その「森」について説明されている内容と言えます。

  • 「森」=「住まい手にとっての不動産」
  • 「木」=「住宅」

となるでしょうか。

本書は、現在および将来の不動産市場の状況も踏まえ、真に『住まい手視点』『投資家視点』からの不動産との付き合い方を解説しているところが最大の魅力です。

豊かな人生を築くための不動産との付き合い方(日経BP社)
  • タイトル:豊かな人生を築くための不動産との付き合い方 ― 住宅購入・不動産投資の新常識 ―
  • 著者  :田邉信之 著
  • 発行元 :日経BP社
  • 発行日 :2015/03/16
  • 価格  :1,944円(税込み)
  • 【出版社紹介文】
    幸せへと導く13のルール
    人生の支出の過半は不動産
    それなのに知らないことがいっぱい…
    本書では、不動産の購入・売却・投資を考えている方に、景気に左右される買い方や、短期的な儲けを指南するのではなく、不動産と中長期的に向き合う際の「本質的な考え方」をお伝えします。

著者は、長年の実務経験で得た叡智をもとに、マクロ経済の動向から不動産市場・住宅市場を見渡した上で、短期ではなく中長期的な視点から、購入者が不動産と向き合う際の「本質的な考え方」を述べられていると思います。

著者の田邉信之氏は、日本興業銀行勤務時代には、金融業務とともに、都市開発、不動産業界調査、不良債権処理、証券化などの不動産関連業務の実務を経験され、現在は、宮城大学で大学教授をされていらっしゃいます。

本書は、筆者の田邉氏が知人から不動産に関する個人的な相談を受けるうちに、今現在の日本の不動産市場についての田邉氏の「常識」が、必ずしも一般の常識ではないことに気づかれたことが出発点となっているそうです。

不動産市場について田邉氏が「常識」とする内容の本が、巷の書店をめぐっても見つからなかったことが、本書を書くに至った理由とのことです。


内容は、大きく7章に分かれています。

中長期的な観点から「豊かな人生を築くための不動産との付き合い方」のヒントとなる原則や定石について、「需要サイド」の視点からの内容でわかりやすいです!

  1. 【第1章】不動産との付き合い方を見直そう
  2. 【第2章】不動産の購入や売却にはタイミングがある
  3. 【第3章】立地によって資産価値が大きく変わる
  4. 【第4章】多様化するライフスタイル
  5. 【第5章】豊かな人生に向けた住宅選びの定石
  6. 【第6章】資産を不動産で運用するための定石
  7. 【第7章】Jリート投資の定石

例えば、第5章の中身は、下記の内容です。

  1. 【第5章】 豊かな人生に向けた住宅選びの定石
    • 1.パラダイム転換後の住宅選びに必要なものとは
    • 2.住宅選びの定石を知る
      1. [定石1] 自分のライフプランに合った住生活を想定しておく
      2. [定石2] 不動産のマーケットサイクルを生かす
      3. [定石3] 不動産のマーケットサイクルと個人のライフサイクルを調和させる
      4. [定石4] 「立地」を最優先する
      5. [定石5] 購入時点でその住宅の「出口戦略」を想定する
      6. [定石6] 候補物件を多面的にチェックする

とあり、5つの定石について、専門用語はあまり使われずにわかりやすく的確に説明されているように見受けられます。

投資における物件の選定でも、この5つの「住宅選びの定石」が参考になるとの説明があります。

「立地」を最優先する

[定石4] には『「立地」を最優先する』とあります。

物件選択における立地の重要性は当サイトでも何度も指摘しているとおりです(^^)

例えば、住宅の購入に際し、どんなに税金で優遇を受けようが、どんなに住宅ローンで得をしようが、家計における金銭的(資産的)な影響としては、それ以上に購入後の物件の資産価値の増減がポイントです。

その資産価値の増減を左右する最大のキードライバーが「立地」だということです。

購入時点でその住宅の「出口戦略」を想定する

[定石5] には『購入時点でその住宅の「出口戦略」を想定する』とあります。

例えばアメリカなどでの住宅購入の際には、物件選択時に「出口戦略」を想定することは、一般常識なんだろうと思います。

物件選択時に第一に重視するポイントは「将来値上がりが期待できるか」「将来売りやすい家か」なのでしょう。

これまでの日本では、所有権のある住宅を、住み替えのために何度も買い替えるという習慣もなかったので、致し方ないのかもしれませんが、今後の日本の住宅市場では、本来の常識的な考えとして、物件購入時に「出口戦略」を特に意識的に考慮して物件選択をする必要があるんだと思います。

候補物件を多面的にチェックする

[定石6] には『候補物件を多面的にチェックする』とあります。

「住宅のチェックは、法的、物理的、経済的側面から」とあります。

「デューデリジェンス」というキーワードこそ出てきませんが、物件選びのチェックでは、まさに「住宅のデューデリジェンス」が必要だと述べられているんだと思います。

「住宅のデューデリジェンス」の必要性については、これまた、当サイトでも何度も指摘しています(^^)


本書は、実に良心的ないい本だと思います!

不動産購入の内容の章でも、不動産投資の内容の章でも、特に初心者でもわかるやさしい言葉遣いと的確な説明で、まさに「豊かな人生を築くための不動産との付き合い方」がコンパクトにまとめられています。

一読の価値ありです。

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